「沢竜二特別公演」
2013年2月16日 ホテル海山

2013年のホテル海山での竜劇隊公演の初日は「沢竜二特別公演」と銘打って行われました。
公演は例によって昼の1時からで、第1部のお芝居は「幡随院長兵衛」 (3月3日も同じ演目で行われました)
沢竜二さん演じる町奴の頭領(やくざの親分みたいな感じの)幡随院長兵衛と
木内竜喜さん演じる旗本奴(無頼旗本)の頭目水野十郎左衛門、二人の男の対決を描く
と言う沢さん主演で前年12月に浅草公会堂で行われた全国座長大会での演目でもあり
(※座長大会の時は、水野は林与一さんが演じたそうです。)
時代劇なんかでもおなじみの演目でもあります。
話は知ってる人なら知ってるかと思いますが、簡単にまとめると
男伊達で売っている長兵衛が目障りな水野は、理由を付けて長兵衛を騙し討ちしようとすると言う内容です。

最初は長兵衛と水野がやり合う場面が一幕目、続いて長兵衛が子分達に死地に赴く覚悟を語るのが二幕目
そして、有名な水野の屋敷の湯殿での長兵衛と水野の対決シーンが三幕目となります。
事前に聞いていた情報から多分、岡本さんは沢さん演じる長兵衛の女房役だろうと私は思って見ていたのですが
長兵衛と子分衆が水野達とやり合う一幕目はともかく
二幕目の長兵衛の家のシーンになっても岡本さんが出てこないので、
もしかして今日はお休みなのか?とちょっと気にしていた所に、赤ん坊を抱いた岡本さんが登場
岡本さんが演じたのは、長兵衛の女房お時役で、予想通りだった…とちょっと安堵しました。

岡本さん演じる長兵衛の女房お時は、青と白の着物に雪のような白い模様が入った感じの着物を着て
長兵衛との一粒種(長松)を甲斐甲斐しく世話する姿が印象的な清楚で気丈な雰囲気の女性で
こう言う女性役を演じると、岡本さんの持ち味が強く発揮されるように思います。
ただ、今回の岡本さんは長兵衛が死に行く場面での登場だったので
長兵衛を気遣ったような表情をするシーンが多かったように感じました。
特に、お時が長兵衛が死にに行く事を察したシーンと
長兵衛から離縁状(長兵衛が迷惑をかけない為にわざと渡した)を受け取った際に
岡本さんは、本当に悲しそうな表情をされているんですが
その表情が何とも儚げと言うか色っぽい独特の雰囲気が出ていて、非常に印象に残りました。

今回の「幡随院〜」は特に湯殿で水野に長兵衛が騙し討ちされる第三幕で
最初のシーンが凄く独特の雰囲気だったり、見せ方を工夫していたように感じました。
また、風呂の湯気に模した煙(それっぽい煙を出す装置で作り出したのだとか)の匂いも非常に印象に残りました。
一方で、今回のお芝居は竜劇隊の演目にしては、珍しくコミカルなシーンは少なかったように感じました。

第1部の後、沢さんの挨拶と休憩を挟んで、2部のショー「夢の花道」となります。
オープニングはいつもより時間が長めで、沢さんの「夢の花道」をバックに沢さんの舞踊が披露される終盤に
岡本さんは裃を付け沢さんのバックで舞踊を(少し)披露しておりました。

そして何人かの舞踊が続き、そろそろ岡本さんの出番かな?と思った頃に
「岡本茉利『いなかっぺ大将』」とのアナウンスが入ると
袴姿の岡本さんがマイクを手に登場!
久々に岡本さんの歌、しかも「大ちゃん数え唄」が聞ける…と気分はとにかく高揚しました。
会場も大盛り上がりでしたし、岡本さんの歌い方もとにかくノリノリで、
楽しそうに歌われていたのが、とにかく良かったです。
さらに、間奏部分では「大ちゃん〜早くいらっしゃいよ〜!」と言う台詞もありました。

その後しばらく舞踊が続いた後、次の岡本さんの出番はラスト前
舞踊「人生一路」を披露したのですが、
衣装が以前、「星になった人」で着ていたのを記憶している織姫様みたいな衣装だったので
(確か、以前見た時は普通の女性物の着物だった記憶があります)
以前見た覚えのある「人生一路」と全く違うイメージの舞踊になっていたように感じました。

ラストの演目は沢竜二さんの持ち歌「北関東は風の街」
岡本さんは出演されませんでしたが、沢さんの生歌にコミカルな合いの手が入ったりして
中々面白かったです。
そして、最後の挨拶では沢さんに岡本さんが
”声優としても有名な人で「花の子ルンルン」のルンルンをしていた人”と紹介されていました。

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