「竜劇隊公演」
2016年3月23日昼の部 三条市・三条東映

この日の公演は、岡本さんの出演された公演を見るため、私が山形県外へ初めて行った公演でした。
公演は昼・夜の二回行われ、昼の部の開演は午後1時からでした。

第1部のお芝居は「奥様仁義」と言う演目で
主人公・エンコのお栄は女っぽい所もある一方
男勝りと言うか気性の激しい男そのものと言った感じの女やくざ。
そんなお栄が茶店で人助けをして一息付いている所に、大店浪花屋の若旦那・清次郎が現れ
お栄に一目惚れし、息子を溺愛する母の反対をのらりくらりと押し切り、二人は結ばれる事になります。
ところが、お栄は採算を度外視し商いを行ったりする事から浪花屋は経営が傾き、
奉公人は次々に辞めてしまう等の難題が持ち上がり、お栄は清次郎の母から追い出されそうになるが…
と言うのがあらすじとなります。

実は以前に私はこの演目を見た事がありますが、やくざらしい荒っぽい面を見せる事もある一方
主人の清次郎や母親の前では猫を被る二面性のあるお栄の行動が
とにかく笑いを誘い、非常に面白い演目だったと記憶していたので
三条でこの芝居が見られるのを非常に期待していました。
以前に見た時は、岡本さんは茶店の”美人”姉妹の姉・千代を演じていたので
その役で出てくるんだろうか?と思っていました。

ところが、冒頭の茶店のシーンを見ていますと出てきた茶店の娘は一人
もしや…と私が思っていたら、お栄の前に清次郎が登場するシーンで
よく見覚えのある方の姿が現れるに至り、私の想像が現実となっていたのです。

何と、あの岡本さんが若旦那姿で登場して来たではありませんか!

この演目で、清次郎を岡本さんが演じる場合もあるとは聞いていましたが
岡本さんが若旦那の格好をして、25歳の若旦那の姿で現れ、さらに実際に役を演じられるお姿を見ると、非常に度肝を抜かれました。
清次郎は、男そのものと言う感じのお栄の気性に惚れ込んでしまう人物で
男っぽい女に惚れると言う点や、後述する自殺を仄めかすシーンなんかもある為、笑いを呼ぶキャラでもありますが
一方では、一途な所があり男でありますが岡本さんのキャラらしさの強いキャラでもあるし
番頭や義母に責められるお栄に助け舟を出す唯一の人物と言うポジションでもあるし
よく見ていると、知恵が回る強かな面を見せるキャラクターでもあるように感じられると言う
非常に面白みの強いキャラクターだったと思います。
また清次郎は大坂商人と言う設定でもありますので
「坂田三吉」の小春さん以来の岡本さんの関西弁キャラでもありました。

清次郎の見せ場としては、母親に自分の意見を反対された後の対応が挙げられます。
「曲げてもダメ」「伸ばしてもダメ」「どうやってもダメ」と否定されるや
「長々お世話になりました」と自殺を仄めかし、強引に押し通すのですが
テンポ良く、母親を(絶対失敗するんですが)説得して
失敗するなり「お世話になりました」
(と言う前に「ハァ…」とため息を交える細かい芸が岡本さんの上手い所でしたね)
と宣言して、コミカルに「死ぬ」真似を披露したり
岡本さんのお人柄もあってか、真面目さとコミカルさが同居していたように感じました。

清次郎は自分を「ナヨナヨしている」と言っていましたが
ナヨナヨと言うよりおっとり系かな?と思いました。
岡本さんが関西弁で清次郎を演じていたのも、おっとりな感じが強い理由だと思います。
(岡本さんには申し訳ありませんが、男の人に見えるかどうかに関しては何とも…)

感想としては、以前見た時と同じように
笑いの中に泣きが入る事の多い竜劇隊の演目にしては、珍しい傾向の演目だと思います。
特に木内竜喜さん演じる番頭・忠七とお栄のやり取りが、非常に面白い所だったのは今回見ても変わりませんでしたが
それに加えて、今回は岡本さんが清次郎をやっているだけで言い知れぬ満足感を感じた上
清次郎が面白いのに、何故か頼りがいがあるっぽい位置にいる点が中々愉快だと言う感想を持ちました。

ラストは、自分には幸せは似合わないとばかりにお栄が妻の座を捨て去って、旅立つのを
お栄に惚れている清次郎が追っかけて終わりとなります。
以前見た時と違って、どうしても清次郎中心に話を見たのも影響しているのですが
清次郎がお栄が清次郎を連れて行くのを、一度は拒絶するものの
ここでも、自殺を仄めかし強引に連れを了承させると言う
岡本さんの清次郎が最後までらしさを発揮していたお陰もあって
ラストが非常に良い終わり方に見えました。

第1部の後、木内さんの挨拶と休憩を挟んで、2部のショー「夢の花道」となります。
オープニングから、何人かの舞踊が続き、岡本さんの最初の出番は
舞踊「暖簾」(五木ひろしさんで有名な曲ですが、今回は永井龍雲さんバージョンを使用)で
岡本さんが萌黄色(?)の着物をお召しになり
優しいテンポの曲をバックに、オレンジ色の扇子を手に綺麗な舞踊を披露されていました。

その後しばらく舞踊等が続いた後、次の岡本さんの出番が来ます。
今度は、お待ちかねの岡本さんの歌のコーナーがやって来ました。
普段は歌→舞踊の順番が多いので、舞踊→歌の順番は意外と思いながらも何が来るかな…と思っていたら
今回の歌は「愛燦燦」でした。
この歌は、岡本さんの綺麗な歌声が印象的で、いつも聞いていると
今回も思った以上に岡本さんの声が綺麗で清らかな感じで
「嬉しいものですね〜♪」と言う歌声が特に心に響きました。

最近には珍しく、間奏部分でのちょっとしたトークが聞く事が出来たのも良かったです。

その後舞踊が続き、ラストショー「怒濤」にも岡本さんが再び登場します。
激しい曲をバックに他の竜劇隊のメンバーの方々とお揃いの漁師っぽい格好(?)で
いつもは見られないような激しい舞踊を披露されていたのにも、驚かされました。

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