「沢竜二特別公演」
2017年2月18日昼の部 三条市・三条東映

新潟三条の三条東映で、昨年に続き沢竜二特別公演が2月11日から19日まで行われました。
今回は「沢竜二特別公演」と銘打った公演で、第1部のお芝居は「恋のかみなり」と言う演目。
この演目、以前見た時非常に良い演目だと思っていたので
昼夜二回公演の内、昼の部(だけですが)を見に行く事にしました。

長いお芝居のあらすじを(出来る限り)簡単にまとめると
大店江戸屋の入り婿・五郎兵衛(沢さん)は度胸も商才もある立派な男で
女房小春(岡本さん)との夫婦仲も上々なのですが、
唯一、人並み外れて耳が遠い(所謂つんぼ)と言う欠点があったのです。

そんな小春の姉・小冬は水戸藩士の新十郎と駆け落ちをして夫婦になったのですが
新十郎は同僚の右京の恨みを買い、新十郎が警備を任された藩の宝である茶器を奪われた上
右京によって失明させられてしまっていたのでした。
さらに右京は、やくざまがいの質屋相模屋とつるみ
耳の不自由な五郎兵衛を騙し、偽の茶器で大金を儲けようとしていたのですが…
と言うのが大体のあらすじになります。

以前に見た時も思ったように
耳の不自由な五郎兵衛と登場人物のコミカルな受け答えが次々に見られる所が
特に笑えて楽しい演目でした。
特に木内さんの番頭が五郎兵衛に話しかける度に受け答えがあべこべになる件は本当に可笑しかったです。

岡本さんの小春も、当然ながら素晴らしかったです。
小春は、耳の不自由な五郎兵衛に台詞を伝達する場面が見せ場なのですが
五郎兵衛に言葉を伝える為に耳打ちするシーンは、耳打ちする際の決めポーズと
「あんた、○○…」と岡本さんが大きな声でハイテンション気味に話しかける所が印象的でした。

また、岡本さんの小春は五郎兵衛を補佐する立場の為、とてもしっかりした感じの女性に描かれつつ
「ウフフ」とアイちゃんみたいな言い回しを見せるわ
五郎兵衛にのろけようと、「手をつないで」とせがんで五郎兵衛にボケられるコミカルな面も見せるわ
おまけに小春が主人の五郎兵衛にとにかく惚れている女性
(前日の公演の演目だった「知らぬが花」のお新と長次と双璧位)である点等々
何か、岡本さんのアイちゃんっぽい面が強く出ていた役所だと感じられたのと
芝居の筋立てへの好印象が、私がもう一度この演目を見たくなった理由なんだろうと思います。
ラストは二組の夫婦の明るい笑い溢れる中、気持ち良い位のハッピーエンドで締められるのも、良い所でした。

ちなみに、2013年の湯野浜公演の際には、悪者は相模屋一人でしたが
今回は悪者が二人(相模屋と右京)でしたが、今回は出演者が多かったからだそうで
湯野浜の時のように出演者が少ない場合は、相模屋と右京を同じ人が演じる事もあるそうです。

第1部の後、沢さんの挨拶と休憩を挟んで、2部のショー「夢の花道」となります。
オープニングから見続けるも、中々岡本さんの出番が来ない…と感じつつ見ていると
後半になり、ようやく岡本さんの登場となります。
今回の舞踊は舞踊「つくしんぼ」を披露したのですが
以前見た時は、薄緑っぽい女性物の着物でしたが、今回は縞柄の着物を身に纏い
金っぽい扇子を手に、上品そうに舞いを披露されていました。
今回はショーの出演者が多かったからか、岡本さんの出番は「つくしんぼ」のみで
オープニング、ラストショーへの出演はありませんでしたが
最後の挨拶で、過去の出演作を絡めたご自分の出演されるアニメの宣伝をされておりました。

(注・レポート中に一部不穏当な表現がありますが、お芝居での表現をそのまま使用しております)

参考資料・三条東映における芝居の演目等について
(OP→ショーのオープニング、ED→ショーのフィナーレ)
公演日芝居の演目と役所(判明分のみ)
2月11日「待っていた男」・渡世人・会津のお弘
2月12日「三日の娑婆(会津の仙太郎)」・仙太郎の女房お静
2月13日「佐渡の兄弟」
2月14日「清水次郎長」
2月15日「無法松の一生」(岡本さんは出演されていません)
2月16日「ある旅芸人の記録」
2月17「知らぬが花(雨に咲く花)」・長兵衛の女房お新
2月18日「恋のかみなり」・五郎兵衛の女房小春
2月19日「忠治流転笠」

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