「竜劇隊公演」
2013年2月28日 ホテル海山

この日の第1部のお芝居は「奥様仁義」と言う演目
主人公・エンコのお栄は(演者がひかる光一さんなので?)女っぽい所もある一方
男勝りと言うか気性の激しい男そのものと言った感じの女やくざ。
そんなお栄が茶店で人助けをして一息付いている所に、大店浪花屋の若旦那・清二郎が現れ
お栄に一目惚れし、息子を溺愛する母の反対をのらりくらりと押し切り、二人は結ばれる事になります。
ところが、お栄は採算を度外視し商いを行ったりする事から浪花屋は経営が傾き、
奉公人は次々に辞めてしまう等の難題が持ち上がり、お栄は清二郎の母から追い出されそうになるが…
と言うのがあらすじとなります。

岡本さんが演じたのは茶店の”美人”姉妹の姉・千代
美人姉妹(自称)の姉で妹や母思いの一面を見せたり、岡本さんらしい清楚な役所ではありますが
芝居の性質上、やはりコミカル色が強いキャラになっていまして
最初のシーンで酒を凄い勢いで平らげるお栄を見て、
女だてらに一升徳利で酒を!と普段の岡本さんがあまり見せないような
大仰に驚いた顔で驚いて見せたりもします。
(おまけに、大仰に驚いているのをお栄に突っ込まれるのも笑える所)

岡本さんの一番の見せ場だったのが、お千代がお咲を連れて花嫁衣装を買い求めに浪花屋を訪れる場面。
病気の母親に妹・お咲の花嫁衣装を見せたいと言う目的で店を訪れ、番頭・忠七相手に着物の見立てをするのですが
アイちゃんを思わせるような可愛らしい歓声を上げる岡本さんらしさが見られたのは個人的には良かったです。
その一方で、岡本さんがテレビショッピングに出て来る人のように大仰に驚くシーンもあって
岡本さんの大仰に驚く姿に大笑いしつつ、内心ではこんな岡本さんが見られるとは…と驚きも感じました。
コミカル色を前面に出すシーンで、岡本さんの表現力の豊かさを再認識させられました。
ちなみに、お千代姉妹は散々振り回した挙句、実は花嫁衣装を買い求める代金を持っていなかった為
一時は窮地に陥りますが、お栄の情けで着物の代金は払わず済む上に大金を貰えると言う
結果的には、凄く得する役所でした。

話としては、やくざらしい荒っぽい面を見せる事もある一方、主人の清二郎や母親の前では猫を被る
二面性のあるお栄の行動がとにかく笑いを誘い、全編ほぼ笑いだけで話が進むと言った具合に
笑いの中に泣きが入る事の多い竜劇隊の演目にしては、珍しい傾向の演目でした。
特に木内竜喜さん演じる番頭・忠七とお栄のやり取りが、非常に面白かったです。
ラストは、散々猫を被って来たお栄が妻の座を捨て去って、旅立つのを
お栄に惚れている清二郎が追っかけて終わりとなります。
(岡本さんのお千代姉妹の出番が終盤に無かったのは、少々残念な所でしたけどね)

第1部の後、木内さんの挨拶と休憩を挟んで、2部のショー「夢の花道」となります。
オープニングは岡本さんをはじめ木内さん、ひかる光一さん、青山郁彦さんと竜劇隊メインメンバー揃っての舞踊「祝い舟」
黒い着物の岡本さん達が二本の扇子を使って宝船を作ったり、優雅な舞踊を披露しておりました。

そして何人かの舞踊が続き、そろそろ岡本さんの出番かな?と思った頃に
「岡本茉利『いなかっぺ大将』」とのアナウンスが入ると
16日に続いて、袴姿の岡本さんがマイクを手に登場!
またしても「大ちゃん数え唄」が聞ける…と気分はとにかく高揚しました。
今回も岡本さんの歌い方がとにかくノリノリでしたし、
前回以上に声も弾んでいたように個人的には感じられました。
「一緒に歌って下さい」と言う岡本さんの問いかけは恥ずかしいので、パスしましたけどね…
さらに、間奏部分では「大ちゃん〜早くいらっしゃいよ〜!」等の台詞もありました。

その後しばらく舞踊が続いた後、次の岡本さんの出番はラスト前
今回は、何と舞踊「星になった人」を披露したのですが、この舞踊は私の非常に好きな舞踊でして、
目にも鮮やかな織姫様みたいな衣装、クルクル回る岡本さんの華麗なお姿は
いつも以上に強烈な印象を残しましたが
今回、見ていて印象に残ったのが遠くの方を見て(いる感じの視線の岡本さんが)手を振るシーン。
岡本さんの儚げな表情が何とも言えぬ味があって良かったです。
なお、岡本さんの舞踊はラスト前だったので、ラストショー「アジアの海賊」には岡本さんは出演されませんでした。

最後に、今回のショーで岡本さんと関係無い話ですが、とんでもない体験をしたのでご紹介いたします。
青山郁彦さんが南京玉すだれを披露された際に
玉すだれで出来た輪を青山さんが飛んでくぐる事になり
実は青山さんに指名されて、私は急に舞台の上に上がって玉すだれを持って欲しいと言われてしまったのです。
心の準備もありませんでしたし、あまりの大役に玉すだれを持つだけなのに、非常に緊張しました。
どんな表情を私がしていたのか分かりませんが、成功したので本当に良かったです。

公演レポートへ戻る