「竜劇隊公演」
2011年3月12日 ホテル海山

この日の第1部のお芝居は『火消しの長太』と言う演目
岡本さんが演じたのは、火消し長太の親方に当たる”を組”の頭・新吉の女房お静でした。
粗筋をまとめますと、火消しを組の頭・新吉は、火消しは組の頭・金兵衛から借金の相談を受けるがこれを断ります。
これに腹を立てた金兵衛は、自分の娘でもある新吉の女房・お静への離縁状を半ば強引に新吉に書かせ、
お静と新吉は別れさせられてしまうが…と言う新吉とお静の夫婦の問題を話の軸として
を組の若い火消しで、トラブルメーカーではありますが、
江戸っ子で一本気な長太を狂言回しに進められていくと言う内容でした。

お静は話の軸になっているので、結構出番はあります。
ただ最初の方で登場してきた際は、玄関付近にいる長太に声をかけて出かけて行くだけと言う顔見せ程度の出番で
すぐ袖に引っ込んでしまった為、気立てのよい火消しの女房と言う感じの女性なんだろう、と思いました。
好印象を持てるキャラなのは確信できましたが、まだこの話の重要な登場人物なのかは分かりませんでした。
ところがお静が出かけ、しばらくお静の出番が無い内にお静と新吉に関する話が急展開し、
再びお静が家に戻って来た途端、お静は父の金兵衛に無理やり連れられ、
新吉と実の子の新二郎と引き離されてしまいます。

お静に関する見せ場は、まず火事が起き実家に帰ったお静の家が火事では!?と思ったを組の人達が
頭の新吉をはじめ、全員で火事場へ向かってしまった為、
お静がもぬけのからになってしまった、を組に帰って来た場面。
気が動転しながらも必死に新吉の後を追おうと気丈だが、テンション高めのお静の芝居が見られます。
このシーン、岡本さんの一人芝居が印象的な場面でした。
もう一つは金兵衛の家が火事になった際に、新吉が我が身を省みず新吉の女房おそのを助けに入ると言う
真の男らしさを見せた事から、お静が金兵衛に新吉の男らしさを訴える場面。
涙ながらに金兵衛に長台詞で訴えかける姿が岡本さんらしい誠実な演技で良かったと思います。
お静のキャラクターは耐える女房タイプの気丈な女性でして、
第一印象で想定していた気風の良い姐さんタイプと言うキャラクターとは、イメージが違っていましたが
個人的に非常に好感を持てるタイプのキャラクターで、周りに振り回されても、安心して見ていられるキャラでした。

ラストは、お静の説得もあって金兵衛が心変わりし
お静との仲を許される一方、目が悪い(夜になると鳥目になる)新吉はを組の頭を引退し、長太が頭になるのでした。

第1部の後、恒例の隊長の木内さんの挨拶等を挟んで、2部のショーとなります。
ショーのオープニングは、集団舞踊「年輪」。いつもは岡本さんが出て来るオープニングですが、今回は木内さん達4人の舞踊で岡本さんの登場は無し。
その後歌が続き、オープニングに出ていなかったからか、いつもよりちょっと早めに岡本さんが登場。
舞踊は「知らぬが花」(沢竜二さんの歌)で、着流し、男性髷姿の男装の岡本さんが登場
番傘、扇子、手紙を代わる代わる使いこなしながら舞踊を披露すると言う演目なのですが
12日の時は、3番にあたる部分で何故か履いていた草履を脱ぎ出した岡本さんが客席に降り立ち、舞踊なのに握手コーナーが始まります。
これはおそらく、地震で大変なのに来て下さったお客様達への感謝という意味合いがあったのだと思います。

最初の登場が早かったので、次も早めに岡本さん出て来るかな?と思ったものの
その後、舞踊が続き(ちなみに、今回の公演は長めの曲で舞踊を踊られる方が何人かいらっしゃいました)
再び岡本さんの個人舞踊が始まったのは、ラスト前。
演目は「人生一路」で、先ほどの男装姿から一転、紫と青の混じった着物を身に纏い
扇子片手に舞台から花道までを縦横無尽に移動しながら、優雅な舞踊を披露されていました。
今回は、「人生一路」がラスト前の演目でしたが、
ラストが「マツケンサンバ」と言う事で連続で岡本さんが登場
ボンボンを持った岡本さんが、先ほどの「人生一路」での華麗な舞いから一転して、
ノリノリで「マツケンサンバ」に合わせて踊りや「オーレーオーレー、マツケンサンバ〜♪」と口ずさんだりしていました。
岡本さんのこうしたいつも以上にノリノリな姿は極めて珍しい姿ではないかと思います。

ちなみに、この公演の前日に、大地震(東日本大震災)が発生し、
湯野浜温泉のある鶴岡市でも震度5弱と言う地震が発生し、竜劇隊公演もショーの最中に一時中断を余儀なくされたそうです。
ただ、幸か不幸か停電や目立った被害が無かった事から最後まで公演は行われましたし
地震の翌日に当たるこの日も、目立ったトラブルが特になかった事から、公演はいつもと変わらず行われる事となりました。
この演目は、12日の前に6日にも一度見ていたのですが、12日に行われた分については、地震絡みのやり取りが出て来る等、
台詞が一部変更されていたようです。
あと、この日も何となく見ている最中も時々余震が感じられたような…

なお、3月2・4・6・8・10日も同じ内容で公演が行われたようです。

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