「竜劇隊公演」
2009年3月14日 ホテル海山

今回も公演は昼1時からの一回
暴風雨のせいか、会場に集まったお客さんは前回より少なめの大体50人位でした。
集まったお客さんは相変わらずほぼ私以外年配の方ばかり

この日の第1部のお芝居は『雨に咲く花』で岡本さんはお新役を演じていらっしゃいます。
内容は、大店の主人長次が遊女だったお新を身請けして、女房に迎え
二人は相思相愛と言う関係になっていた所から始まります。
ところが、幸せだった二人の関係も、長次の前に按摩(マッサージ師)の清三郎が現れた事から大きな変化が起きるのです。
按摩の清三郎は、元々は目が見えていたのですが、火事が元で失明し
挙句、妻までもいなくなり、幼い子供を連れて必死に生きていました。
清三郎は、最初は自分を捨てた妻を恨んでいたのですが、
妻が自分の目を治す為、女郎に身を落とし、金を作ろうとしていたと言う真相を知り妻に謝りたいと長次に話していたので
長次も目をかけていた清三郎の消えた妻探しに協力するのですが
実は清三郎の生き別れた女房こそ、今は長次の女房のお新だったのです。
最後は長次が“情けの離縁状(離婚届)”をお新に渡した事で、清三郎とお新が再び結ばれますが
ラスト、清三郎とお新が旅立ち、好いていたお新に去られた長次が悲嘆に暮れるバックに雨が降ります。
芝居のタイトル『雨に咲く花』の意味は、この雨が由来なんでしょうね。

岡本さんが演じたお新は、まず店の奉公人達のコミカルなやり取りの後、
舞台袖から “水色に様々な模様が描いてある“感じの着物を身に纏い、登場してきましたが
初見での印象は“清楚で上品なお内儀(妻)”と言う感じでした。
実際のお新のキャラも、初見のイメージそのままの健気で清楚と言う雰囲気や台詞回しで、
個人的には非常に好感が持てるキャラで、よくアニメとかで岡本さんの演じるタイプに似ていると思います。
前半部だと普通の幸せそうな人妻と言う感じで
特に長次とお新が「長さん」、「お新」と呼び合った後で、抱き合うシーンや
夕食を勧める際に山形特産の「だだちゃ豆の豆腐」、「(加茂水族館の名物)エチゼンクラゲ」、「サクランボ」を勧めるシーンでの
亭主の長次とのベタベタぶりがコミカルで面白かったです。

そんなお新でしたが、後半清三郎の登場と共に、キャラが一転し
特に離縁状を貰った後、茉利さんが清三郎や長次に思いのたけをぶつける長台詞は
茉利さんの台詞回しも非常に情感が籠っていて、見応えがありました。

休憩後のショーコーナー、今回のオープニングは岡本さんも参加された『木遣りくずし』で
この演目は、前半は紫の着物を着た岡本さんお一人が手ぬぐいを使った舞踊を披露し
後半に他の方が加わると言う演目だったのですが、
茉利さんの舞踊は、堂々たる立ち居振る舞いで、風格のようなものが感じられました。
その後、舞踊が続いた後、前回もご紹介した岡本さんの歌謡ショーのコーナーになりました。
今回の歌は、テレサ・テン『時の流れに身をまかせ』と美空ひばり『花笠道中』でしたが
実は今回、“カラオケじゃなくてテレサ・テンさんの歌入りの曲が流れる”と言う大ハプニングがありまして、
全く聞き取れない訳じゃないものの、岡本さんの歌声がちょっと聞きづらかったのは残念でした。
ただ、1番が終わった所で、「天国からテレサ・テンさんが戻って来ました…」と、岡本さんが話されていたのですが
色々とハプニングを経験されて、ユーモアと機転の利いた切り返しを身に付けられたんだろうな、と感心させられました。
曲の合間には例によって岡本さんのトークコーナーもあり、
相変わらずの可愛らしいお声での御挨拶から、声優としてのキャラ実演もありましたが、
今回はアイちゃん、ルンルン、キクちゃんではなく、普段はあまり見せる機会の少ないと言う
『ヤマト2』のテレサ(台詞は「私はテレザートのテレサ、地球の皆さんの為、私は祈り続けます」(大筋こんな感じ?)
を実演されました。

2曲目の『花笠道中』は、私は歌謡曲にあまり触れた事が無い事から、実は分からない曲だったのですが、
岡本さん曰く「大好きな美空ひばりさんの歌」だそうで、
そうした思い入れを感じさせるいつも以上に透き通った歌声が、非常に印象に残りました。

しばらく舞踊が続いた後、岡本さんの舞踊『星になった人』が始まりました。
この舞踊の際の岡本さんの衣装は、テカテカしている織姫風の非常にきらびやかな衣装で
何回も回転する場面があったりで、結構華やかな感じがする演目だったと思います。
前回の舞踊以上に拍手を多く浴びていた感じでした。

参考資料・湯野浜公演における芝居・ショーでの岡本さんの演目について
(OP→ショーのオープニング、ED→ショーのフィナーレ)
第1部・芝居の演目と役所歌謡ショー曲名舞踊演目・OP&EDショー演目
(奇数日の演目)「質屋の娘」・質屋七福の娘お福「お久しぶりね」「雪椿」(最終日は蘇州夜曲)「ひとり旅」
「祝い舟」、「マツケンサンバ」
(3月6日までの偶数日の演目)「小原庄助さん」・庄助の女房お由「蘇州夜曲」「みだれ髪」「星になった人」
「祭りだワッショイチンカッカ」
(3月8日からの偶数日の演目)「雨に咲く花」
長次の女房(実は清三郎の女房)お新
「時の流れに身をまかせ」「花笠道中」「孔雀舞」
「木遣りくずし」

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