「竜劇隊公演」
2012年2月19日 ホテル海山

今年もホテル海山での竜劇隊公演が行われました。
今回も公演は昼1時からの一回で
例によって、集まったお客さんは私以外ほぼ年配の方ばかりでした。
今回は諸般の事情で湯野浜での公演日数はやや少なくなっていますが
公演自体は例年に劣らず盛り上がっていたように感じました。
まずは前日に大井沢での公演を終え、湯野浜に戻っての公演となった19日の公演の感想から。
この日の第1部のお芝居は『見送る親子』と言う演目

薬問屋の若旦那清三郎は山から落ちた所を百姓順作に助けられ
療養する内に、清三郎は順作の娘お新と好い仲になります。
順作は二人の仲を反対しますが、清三郎の誠意とお新に赤ん坊が出来ているという既成事実もあり
二人は結ばれる事となる…とそこに花道から岡本さん演じる清三郎の乳母お市が現れ
清三郎の父が病の床にあり、清三郎に戻って欲しい事を清三郎に告げます。
清三郎は戻る事を拒否しようとしますが、お市に強引に連れ戻されてしまいます。
場面進んで一年後、お市は遊び人の熊からお市を助けてくれた遊び人の卯之と結ばれ、
子供(実は清三郎との間の子)と父の四人幸せに暮らしていたのですが
そこに清三郎が現れ、遂に卯之は子供が清三郎とお新の子供である事を知ってしまい、怒り狂う!
果して…と言うのが今回のあらすじです。

今回のお芝居、前半はお新をモノにしようと画策する憎めない悪党的な遊び人・熊の出番が多く、
割と笑いの要素が多かった作品ですが後半は一転、シリアスな場面が続く芝居ですが
岡本さんの出番が少ない点に関しては、個人的には残念ですが、見応えがある作品だったと思います。
タイトル『見送る親子』ってのが、ラストのオチに繋がる構成なのは途中で大体分かりましたが
見送るのがそっちの親子(卯之と順作)か!と言うのは、裏をかかれたと思いました。

岡本さんが演じたお市についてですが、出番は多くないものの、ある意味作品の(悪い意味で)重要人物ではないかと感じました。
一見するとお市は岡本さんが演じているし、劇中描写も悪くは描かれていないし、喋り方は品があるし
店や清三郎の事を案ずる良い人っぽいのですが
”清三郎が江戸に戻ってから、お新に手紙を送っていたのを握り潰していた”と言われたり
「一旦江戸に戻って、改めてお新との仲は認めてもらえば…」
とお新に別れの挨拶をしようとする清三郎を強引に連れ戻そうとしたり
事をややこしくした張本人はお市じゃないのか?と、思ってしまいました。
岡本さんの品のある喋り方は本当に良かったんですけどね。
あと、散々芝居を盛り上げた遊び人の熊がどうなったのか?についても見てみたかったのは私だけでしょうか?

休憩等を挟んでスタートした第2部「夢の花道」コーナー
オープニングは岡本さんと竜劇隊の皆さんの『祝い船』
黒の着物姿の岡本さんが他の皆さんと共に、扇を使って華麗な舞を披露します。
その後、舞踊や歌が続いた後、岡本さんの舞踊へと進みます
今回の演目は「おゆう」(歌・沢竜二さん)で、
薄緑色の着物にピンクの帯を締めた岡本さんが扇子片手に優雅な舞いを披露すると言う物で
久々に女性の着物姿で舞踊する岡本さんを見たような印象もあって、ちょっと新鮮な気分で演目を拝見していました。

その後、「岡本茉利の『唐人お吉』」とのアナウンスが入り、唐人お吉に扮した岡本さんが登場します。
この演目、史実通り「売女(ばいた)」だ「馬鹿」だのと、唐人お吉が町の人に虐げられたりする小芝居の合間に
「唐人お吉」の歌に合わせて、茉利さんが舞踊を披露すると言う感じの演目ですが
ただ、昨年同じショーを見た時と、随分印象が違っていたような気がしました。
一番そう感じたのが、後半お吉が捕り方相手に啖呵を切って、大立ち回りを見せるシーン
ああ言った形で岡本さんの立ち回りや啖呵が見られるのは、ファンとしては嬉しい事ですし
キレのある岡本さんの動きが見られるのは堪えられないのですが
確かもう少しお吉がか弱い感じだった記憶があっただけに
「こんな感じだったかな?」と少々気になったのも確かです。
嬉しさと少々の疑問を感じながら見入っていた内に、ショー自体が何かよく分からない内に終わりとなるのですが、
この直後、出演者が舞台上に集合した所で、私はこれがラストショーだと初めて気付かされたのでした。

今回の公演では色々な事がありましたが、まず舞台が始まる前に会場付近で開場を待っていると、
岡本さんが私の目の前に現れたのも驚きでした。
挨拶と多少のやり取りをしましたが、公演を見に来て、会場入りする岡本さんを見かけたのは湯野浜では初めてです。

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