下北沢の小劇場・楽園で7月16〜22日まで公演が行われた全3部構成の「大暴れ!!沢竜二一座」
その公演の中から、ここで特に詳しくご紹介するのは、第1部・岡本さん主演の演目「下町の女」です。
公演の他の内容は、第2部が「関の弥太郎」(岡本さんは未出演)
第3部が「唄って踊って四十分」(歌と踊りのコーナー)となっております。
「下町の女」の内容は以下の通り
下町の女・おひろ(岡本さん)の夫利助は、仕事にも就けず病の床に伏せっていた。
おひろは亭主持ちの女が岡場所(昔の)で働くのはご法度と知りながらも、
病気の夫と幼子を養うためにこっそりと働いていた。
そんな自分の運命に自暴自棄となっていたある日の事、指名した客の一人が、幼なじみの常吉だった。
実は常吉はおひろの事が昔から好きだったのだ。
二人でもう一度人生をやり直そうと、こよりの指輪を渡される。
おひろの気持ちは揺れ動き、常吉に傾くのだが…
おひろは「人間、女郎もお客もあるもんか」
「悲しくて泣いているんじゃないよ。飲めないお酒を飲まされて目から鼻水が出ただけだよ」
「あたい(おひろの一人称)、幸せになれるのね」等々劇中の台詞を列挙していくと
キャラとしては、不幸な境遇に
『浮世の厳しい現実と、過去から未来へと続く救済願望に揺れ動く女心を
亭主と恋人が声のみの出演(恋人の声は納谷六朗さん、亭主の声は沢竜二さん)
と言う一人芝居のような演出技法でじっくりと見せている』
点がこの芝居のテーマなのだそうです。
それ故、岡本さんも今回の演目の場合は、主人公だから当然出番が多いですが、
一人舞台に近い今回の演目の場合、普通の主人公以上に芝居を引っ張って行ったものと推測されます。
第3部「唄って踊って四十分」
岡本さんの踊りの演目は「凛太郎さ〜ん」で、
岡本さんがお召しのお着物は、薄紫っぽいちょっと派手な感じのようでした。
(個人的な印象ですが)比較的地味目な「下町の女」のおひろと対照的に、
多少派手目な感じにしたのかな?と感じましたが…
「質屋の娘」の時に比べ、役の分かりやすさもあるんでしょうが
個人的には岡本さんがおひろを演じていると言う事は比較的簡単に理解できました。
なお、このレポートは「演劇グラフ」誌2007年10月号の公演レポートを主にまとめたものです。