「沢竜二特別公演」
2014年2月16日 ホテル海山

日曜日で天気も割と落ち着いていた事から、客入りも上々だったこの日
第1部のお芝居は「万五郎兇状旅(「長崎物語」)」と言う演目。

長いお芝居のあらすじを(出来る限り)簡単にまとめると
やくざ・品川の虎太郎(木内さん)の元子分の万五郎(沢さん)は、足を洗っていたのですが
虎太郎に「敵対するやくざとの喧嘩で勝つ為に万五郎の手が借りたい」と頼まれ
再びやくざ稼業に戻ってしまい
惚れて夫婦になったお吉、さらにお吉との間に出来た娘お春と生き別れてしまいます。
ところが実は虎太郎は非常に悪い奴で、
本性を現した虎太郎は、万五郎が死んだと偽ってお吉を辱めます。
お吉は、そのせいで命を落としてしまう上、
そのどさくさに、娘のお春も人買いに売られてしまったのです。
虎太郎の所業を知った万五郎は、虎太郎達を叩き斬るのですが
肝心のお春は行方不明のまま長い年月が過ぎてしまいます。
そして長い年月の果て、万五郎はついに成長した娘お春を見つけますが…
と言うのがあらすじになります。

岡本さんが演じたのは、成長したお春でして
お春は劇中では、長い事赤ん坊姿だったので、 成長した岡本さんの娘姿で登場するのは、本当に終盤の山場になってからでした。
曲と共に岡本さんが舞踊を披露しながら花道から登場するのは、インパクトがありましたが
登場したかと思えば、「日本人の男は嫌い!」と何度も連呼して
悪いやくざの妾になるのを気丈に断るわ
妾を断ったせいで、縛りつけられたり
お春が好い仲になった相手がオランダ人で(それ故「ジャガタラお春」の二つ名で呼ばれている)
そのオランダ人ジェームス・サンダー(演じるのは日本人の方です)が妙にインパクトが強かったり
お春自体も気丈な岡本さんらしい役所でしたし、出番以上に見せ場は多かったように感じます。

ラスト、万五郎はお春が娘だと気付くのに、お春は万五郎を「親切なおじさん」と思っているだけなのも
余韻があるラストだったと思います。
それにしても、最後にサンダーがピストル(短筒?)ぶっ放すのには驚きましたね。

第1部の後、沢さんの挨拶と休憩を挟んで、2部のショー「夢の花道」となります。
今回の岡本さんは、舞踊を中盤位に披露しました。
演目は「みだれ髪」で
赤と黒の縞柄の着物を身に着けて、華麗な舞踊を披露しておりました。

その後しばらく舞踊等が続いた後、次の岡本さんの出番はラストショー。
「天城越え」をテーマにした芝居仕立てのショーで、これが今回の目玉になります。
まず岡本さんが珍しい事に、有名な洋楽をバックに舞踊を披露する所がインパクトが強かったです。
さらに強烈だったのが、洋楽が終わった所で、
今度は岡本さんが桃太郎侍のような般若面を付けて舞踊を披露する場面でした。
そこに、沢竜二さんの武士らしき人物が現れ、岡本さん演じる名家の娘(?)と「天城越え」をバックに
二人舞から、芝居仕立てでショーが進んで行きます。

ラストは沢さんも岡本さんも死んだ事が何となく暗示させられるフィナーレでしたが
心中シーンで、岡本さんが座ったまま後ろに反る難しい技を見せる場面もあったりで
長丁場の演目のほとんど、岡本さんが出ずっぱりで見応えたっぷりのショーでした。

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