「沢竜二特別公演」
2011年2月13日 ホテル海山

この日が2011年のホテル海山における竜劇隊公演(最初の1週間のみ沢竜二特別公演)の初日の公演になります。
公演は昼1時からの一回のみで、
当日は雪が降る悪天候ではありましたが、会場に集まったお客さんは大体100人位でした。
例によって、集まったお客さんは私以外ほぼ年配の方ばかりでしたけどね。

この日の第1部のお芝居は沢竜二さんの十八番の一つ『瞼の母』
有名な作品ではありますが、改めて簡単に粗筋をまとめますと
渡世人・番場の忠太郎(沢竜二さん)は、飯岡の助五郎の身内七五郎を弟分の半次と共に斬るが
これを機会に半次はやくざの足を洗い、一人になった忠太郎は
江戸にいる母親お浜(これが今回岡本さんの演じる役所です)に会いに行く。
だが、お浜は息子だと名乗る半次を拒絶し…と言う内容です。

岡本さんのお浜が最初に出てくる場面は、
忠太郎がお浜の経営する料理茶屋”水熊”に現れる前の、顔見せのシーンでして
このシーンで、お浜はしっかり者のおかみさんと言う感じで描かれていたので
今回の岡本さんの役所は真面目な感じなんだろうな、と感じました。
その後忠太郎と対面するシーンでは忠太郎を成り行きから追い返してしまいますが
実は息子と気付いていて、本当は息子と呼びたいのに呼べない…と言う複雑な親心を見せます。

今回のお浜と言う役は忠太郎を幻滅させる位、散々詰問をする厳しさを見せたかと思えば、
忠太郎の言葉に涙ながらに答えたり、揺れる母親の複雑な心を短時間で描くと言う
かなりの難役でして、岡本さんの演技にもかなりの工夫があったように思います。
ただ、お浜は渡世人の忠太郎が母親に会いに行く動機付けとなっている前半は出てきません。
見せ場は後半にたっぷりあります。
余談ですがお浜はキセルを扱うシーンがありましたが、普段煙草吸わない筈の岡本さんがキセルを扱うのは珍しいのでは?

結局ラストは、お浜が自分の前から去った忠太郎を追いかけますが
この際の「ちゅ〜たろ〜う」と言うお浜の台詞は忠太郎を追い出した後悔を感じさせる言い回しが印象に残りました。
一方の忠太郎は自分を捨てたお浜から身を隠すものの、結局は母への思いは捨て難く「おっかさ〜ん」と叫び舞台は終幕へと至ります。
ただ、このおっかさんがお浜なのか”瞼の母”なのかは実はよく分かりませんが。

本筋とは関係ない点で気付いたのですが、お浜は(30か31歳の)忠太郎の母親と言う事で、結構年配の女性だと思うのですが、
歳より10〜15歳は若く見えると周囲の人に言わせる事で
岡本さんにちょっと配慮してるのかな?と感じました。
あと、竜劇隊の演目と言うと、シリアスな演目でも
どこかに笑い所みたいなのを入れる事があったと記憶していたので
この「瞼の母」もどこかに笑い所があるのかなと思って見ていただけに
笑い所っぽいシーンはあまりないのはちょっと意外でした。
ただ手堅くかなり面白い話でしたので、じっくり見入る事が出来ました。

第1部の後、座長の沢竜二さんの挨拶と休憩を挟んで、2部のショーとなります。
ショーの最初は、岡本さんと木内竜喜さん達4人の舞踊「祝杯」で
岡本さん(と他の方々も)は上はピンクの着物、下は赤の袴に身を包み、舞台狭しと動き回りつつ、扇子を手に達者に舞踊を披露しておりました。

その後舞踊や歌が続き、岡本さんの出番はかなり後半になってから
まず、岡本さんと木内さんの合い舞(二人舞踊)「夫婦一生」が披露されます。
タイトルから分かるように、白とグレーの縞の着物の妻役の岡本さんが夫役の木内さんを労わると言う感じの舞踊でした
その後少し舞踊が続いた後、岡本さんの個人舞踊「星になった人」へと移ります。
この舞踊は以前も見た事がありますが、織姫様みたいな綺麗な衣装の岡本さんが
優雅に舞踊を舞う姿が非常に印象的で、私が特に好きな演目です。
今回も特にラスト、岡本さんが何回転もする所が印象的でした。
「星になった人」がラスト前の演目でしたので、ラストの「北の漁場」には岡本さんは出演されず
最後の舞台上での出演者全員の挨拶や、送り出しの際も
岡本さんは星になった人の織姫様みたいな感じでした。

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